髑髏城の七人Season月~下弦~ 所感

鈴木拡樹さんのファンをやっておりまして、鈴木拡樹さんが劇団☆新感線に出演してしかも宮野真守さんと共演ですって?なにそれW伏見猿比古じゃん、行かなきゃ!と、ホイホイ豊洲に遠征してぐるぐる回されて気づいたら髑髏城の沼に落ちていた。(ここまでのあらすじ)
普段はあまり感想を書き起こしたりしないんですが、この想いを書き残しておかねばという謎の使命感に駆られたのでつらつら思いつくままに捨ノ介・天魔王・蘭兵衛の印象をまとめます。(まとまりはない)

髑髏城の七人は、2011年版(ワカドクロ)をゲキシネで、Season月は上弦をライビュで、下弦を現地&ライビュで観ました。今すぐに花鳥風月のゲキシネやってほしいし、豪華Blu-ray Boxを発売してください。


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☆天魔王(鈴木拡樹さん)☆

プライドが高く、気高く、クレバー。自分の目的にまっすぐで目的を達成するためなら他者を利用することを厭わない。やりたいように生きて死にたいように死んだ人。もしかして捨天蘭の中ならもっとも自由だった人かもしれない。

上弦の天魔王は信長自身を愛していたからこそ蘭兵衛に嫉妬を顕にするのに対し、下弦の天魔王は信長様の中に見出した自分の理想像を追いかけてる印象。信長様を追い求めて信長様に成り代わった早乙女天に対して、鈴木天は自らが第六天魔王として信長様が成しえなかった天を目指している。上弦が「俺の方がかわいいのになんでゴリラ(蘭丸)ばっかり可愛がってんだよ!?」って怒るのに対して、下弦は「今まさに本能寺燃えてるってのに飼ってるポメラニアン(蘭丸)の心配ばっかりしてんじゃねえよ、他にも考えることあんだろ!?」って切れてる感じ。個人に固執するよりも目標や理想を追い完璧主義にも見える姿は、鈴木拡樹さん自身のパーソナルな部分も反映されている印象があります。最初から最後までぶれない天魔王は見ていて安心する。

捨ノ介との最終決戦で最後に身ぐるみ剥がされて今まさに殺されかけてる場面で、捨ノ介を真っ直ぐに睨みつけ捨ノ介がその眼に気圧される所最高。最期に身投げするシーンの後ろに倒れ込む動きは本人も得意とする演技なので表情含めてスモークなしで見てみたい気もするけど、スモーク+照明をしっかりと見せるだけの間をとるのも最高。天魔王先生による戦況説明シーンは日に日にコミカルになっていっているようで最高。予備校の先生になってほしい。初見では少し物足りなさを感じたマント捌きも見事にモノにしていて最高。そして終始顔がうるさい(褒)。表情筋爆発しているせいで一度オペラグラスでロックオンしたらそのままロックオンし続けることになってしまいます。最of高。

夢見酒のシーンね、もう毎回オペラグラスで瞬きせずにガン見しているくせに、自分も夢見酒に浮かされているせいで終わった後はなぜかほとんど記憶に残ってなくてだめだ、あれはだめだ。今すぐ円盤発売してください。後生だから。抵抗する廣瀬蘭を押さえ付けて口で追っかけて追い夢見酒する天魔王えろすぎません??まじで??推しがえろい…。大惨事だ…(私が)。

カーテンコールで見せる顔はいつもの笑顔で安心する。節分の鬼ネタのときもそうだったけど、わりと天魔王主導でわちゃわちゃしてる感じ?カーテンコールでは捨天蘭の三人が笑いあって仲良しで見てると幸せになるんだ、これが世界平和か…。12月に観たときははける際に両手でマントを広げるようにはけて行ったと記憶しているのですが、二回目(2月上旬)に行ったときは大きくマントを翻して捌けていくようになりましたね。ライビュでカメラにアピールしてたときはみんな笑顔でわちゃわちゃと楽しそうにしていたけど、最後の最後で天魔王に戻って微笑まれたのを忘れられない。劇中で絶対に見られない天魔王様の優しい微笑みに撃ち抜かれてクリティカルヒットです…。

見る度に天魔王が好きになっていってやばい、二回目に至ってはずっと「天魔王かわいい…」ってうわ言をつぶやくbotと化していた。
これ以上好きにさせるのやめて、勘弁してください…。私は天魔王様の髪の毛を編んであげる係の人になりたい…。
天魔王の日常で積極的に使いたい二大台詞は「笑止!!!」と「御務めご苦労!!!」です。使う機会がなかなかありません。



☆捨ノ介(宮野真守さん)☆

宮野捨好き~~~。笑顔が好き、立ち振る舞いが好き、存在が粋、そこにいるのは間違いなく宮野真守なんだけどたしかに捨ノ介。宮野真守の持つ太陽のような暖かさがそのまま現れてきたような、豪快に立ち回りをして豪快に太ももを出し、豪快に笑い飛ばすのが大好き。でもきっと信長様に仕えてきたときはいろんなことを経験してきたんだろうな。酸いも甘いも知ってそれを全部胸のうちに抱えた上で大きく笑う捨ノ介が好き。

唯一弱いところといえば、性善説を信じすぎているところに脆さを感じる。「殺すんじゃない、止めるんだ。」という台詞からも「話せばきっとわかってもらえるはず」という甘さ。捨ノ介と天魔王、蘭兵衛はみんな別の方を見ていて劇中それは決して交わらないのだけど(辛い)、捨ノ介はいつか交わることを信じているような。天魔王を止めるつもりで乗り込んできて、でも結局天魔王は止まらなくて、殺すつもりはなかったのに目の前で死ぬことを止められなかった。それは捨ノ介の敗北であり大きな挫折、「人は変えられない」ことを目の前に突きつけられてその場に泣き崩れることしかできなかった。捨ノ介は髑髏城脱出のときも最後の徳川軍と遭遇した際も一人で死のうとしていたと思う。そんな捨ノ介を救ったのが霧丸。捨ノ介がかつて手を伸ばして抱きとめて助けてあげた霧丸が今度は捨ノ介を抱きしめてくれる。「捨ノ介は間違ってないよ」って霧丸が光を指して生きる道を作ってくれるところが本当に良かった。霧丸は捨ノ介の傘よりさらに大きなお城を作って天の雨から守ってくれるんだよ。ありがとう霧丸。

足元びしょ濡れになって、身体もぼろぼろになりながら刀を振るうラストシーンは本当にかっこいい。
宮野捨ノ介大好き…。



☆無界屋蘭兵衛(廣瀬智紀さん)☆

蘭兵衛が一番難しい…情緒が不安定すぎて心配になる。上弦の三浦蘭が強そうだっただけに廣瀬蘭が一層儚げで、一幕のラストはもうあの子を無界屋から出さないで…霧丸ぶん殴ってでも止めて…行かないで…って毎回ハンカチ握りしめてる。三浦蘭は単身髑髏城に攻め込んでも肉弾戦に持ち込めばワンチャン天魔王に勝てるんじゃない?って期待してしまうけど廣瀬蘭は無理だよ~お前ひとりで勝てるわけないよ~行くのやめなよ~~~。

蘭兵衛は2回観てもわか蘭…って頭抱えたけど、「廣瀬蘭は自分のやりたいことが先にあるのではなく、周りが自分に望む姿になろうとしている人なのでは?」って感想が腑に落ちた。廣瀬蘭優しすぎるんだよ。信長様の小姓として将として望まれた自分になろうとした蘭丸が、信長様がいなくなってしまったことで仕える殿だけでなく自分ごと失ってしまった。そんなどん底の状態で出会った極楽太夫と一緒にみんなが幸せに暮らせる街を作ることを望まれて、そんな街の主人になろうとした。廣瀬蘭はおそらく心から無界屋を愛していたんだと思う。一幕の無界屋のシーンで本当に優しく笑うもんだから、先を知って観ていると笑顔を見るのが辛い。でも天魔王に言葉巧みに口説かれて極めつけに信長様の遺骨やら鎧やら生き血やらを突きつけられたらもうどうしようもなかった。これまでに最も自分を望んで、望まれて、自分を自分たらしめた人だったからその強烈な光からは逃れられなかった。無界屋襲撃の「こんなに楽しいことを忘れていた」って台詞は人殺しという行為だけではなく、「信長様に望まれていた自分」をも指しているんじゃないだろうか。そう思わせてくれ…。

最期のシーンで捨ノ介の手で瞼を閉じてくれるのも、太夫が手についた血を必死に拭ってくれるのも本当に堪らない。みんなに愛されていた蘭兵衛だったんだよなぁ…ぐすん。

あと廣瀬蘭は口の端から吐血一筋の横顔が美しい大賞をあげたい。受賞おめでとうございます。

カテコで太夫の手を引いてエスコートするのも堪らんですね、あれはずるい、反則。上弦で兵庫が太夫の裾持ってあげるのもほんとかわいいけど、下弦の廣瀬蘭ずるいわ。一度出てくるときにエスコート忘れちゃってて(こういうとこただのちゃんとも)、兵庫と天魔王様が太夫をエスコートしてきたって本当ですか…勘弁してください天魔王…これ以上好きにさせないでくれ…。


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役にそれぞれ俳優自身のパーソナルな部分が現れているとすれば、鈴木天魔王は真面目で真っ直ぐ、廣瀬蘭は優しさ、宮野捨ノ介は笑顔かなぁ。上弦下弦でもっとも違う部分だと感じたから。

ステージアラウンド東京は回る舞台含めてのエンターテインメントだからもう何度見てもアガるし本当に楽しい。円盤もゲキシネも今すぐ欲しいけどステアラでもずっとやっていてほしい…私が富豪だったらあの座席の傾斜を今すぐなんとかするから…。東京しかないのは遠征民には辛いところだけど、もし機会があればステアラの回転座席と髑髏城をぜひ一度体験してもらいたいです。お願いだよ、一緒に沼で遊ぼう?怖くないよ…。